生パン粉と乾燥パン粉

耳にしたことがあるという人もいるかとは思いますが、パン粉には大きく分けて
「生パン粉」

「乾燥パン粉」
の2種類があります。これは、パン粉に含まれる水分量によりきめられています。

大まかに言うと、

 ・ 生パン粉・・・パンを粉砕した状態もの。
 ・ 乾燥パン粉・・・生パン粉を意図的に乾燥させたもの。

となります。

また、生パン粉と乾燥パン粉では、生パン粉のほうが断然食感がよいのですが、あまり日持ちしません。そのため、

 ・ 業務用は生パン粉と乾燥パン粉
 ・ 家庭用は乾燥パン粉

というように多くはご利用されています。

生パン粉と乾燥パン粉のどちらを選ぶか?

生パン粉と乾燥パン粉の選び方のポイントは3つあります。

 ・ 食感で選ぶ
 ・ 保管場所で選ぶ
 ・ 使用量及び賞味期限で選ぶ

食感で選ぶ

一般的に生パン粉は食感が軽くなり、乾燥パン粉は食感が固くなります。

そのため、軽い食感にしたい場合は生パン粉を好まれる場合が多いです。
ですが、具材の小さいものや惣菜、カツ丼などの場合は乾燥パン粉を選ばれる方もおられます。
また、串揚げ・串カツなどでも乾燥パン粉を選ばれる方は多いです。

飲食店でとんかつやエビフライなどにご利用される場合は

 ・ ボリューム感がある
 ・ サクサク軽い食感が必要

という場合が多く、目の粗い生パン粉がおすすめとなります。
目の粗い乾燥パン粉にされると食感が固く感じられることが多いからです。

ですが、少し小ぶりな商品の場合は、乾燥パン粉でも十分な食感になる場合もあります。
パン粉の目が粗い場合は、生パン粉と乾燥パン粉の食感の差は大きくなりますが、パン粉の目が細かいと食感の差は小さくなります。
むしろ、少し歯ごたえを出したい場合などに意図的に中目程度の乾燥パン粉を使われる場合もあります。

また、串揚げ・串カツの場合は、とても細かいパン粉を使用されるため、生パン粉と乾燥パン粉の食感の差がとても小さく、使い勝手の良さから乾燥パン粉を選ばれることが多いです。

惣菜などでは乾燥パン粉のほうが油を吸わないため、経時変化に強いという特徴があります。お客様が家で食べられるときにある程度の食感を残すことができるため、乾燥パン粉を使用されることがあります。

カツ丼・カツカレーなどはパン粉の食感が軽すぎると、最終的に食感がほぼなくなってしまうため、乾燥パン粉を使用することである程度の食感を残される場合があります。

保管場所で選ぶ

生パン粉と乾燥パン粉で保存方法が異なるため、保管場所の容量によって選ばれる場合もあります。

■ 保管方法

生パン粉 ・・・ 冷蔵
乾燥パン粉 ・・・ 常温

パン粉は体積が大きく場所をとる商品です。そのため、冷蔵庫のスペースがない場合は、必然的に乾燥パン粉を使用する必要がでてきます。ただ、パン粉のご使用量によっては冷蔵庫が狭くても生パン粉を使用できます。

生パン粉の賞味期限は冷蔵保存で45日間です。ですが、冷暗所であれば10日程度保管が可能です。そのため、パン粉の使用量が多い方は冷暗所にパン粉を保管しておき、開封したパン粉のみ冷蔵庫で保管されいる場合もあります。
また、冷凍の場合は3ヶ月保管が可能です(一度冷凍されると少しパサつき感がでますので、ご注意ください)。冷凍スペースがある方は冷凍庫でパン粉を保管し、翌日使用予定のパン粉のみ冷蔵庫で一晩かけてゆっくり解凍して使われる場合もあります。

使用量及び賞味期限で選ぶ

生パン粉と乾燥パン粉では賞味期限が大きく異なります。

 ・ 生パン粉 45日間(冷蔵保存)
 ・ 乾燥パン粉 180日間(常温保存)

そのため、生パン粉を使いきれない場合は、乾燥パン粉をご利用いただくことになります。

ただ、「保管場所で選ぶ」でも少しご説明しましたが、生パン粉は冷凍保存で3ヶ月保管可能です。
冷凍スペースがある場合は、生パン粉をご使用されても大丈夫です。

生パン粉と乾燥パン粉のまとめ

種別生パン粉乾燥パン粉
製造方法パンを粉にしたそのもの生パン粉を乾燥させる
食感軽い傾向がある固い傾向がある
賞味期限45日間180日間
保管方法冷蔵常温(高温多湿を避ける)
油の吸いやすさ吸いやすい吸いにくい
水分量35~38%14%以下

弊社の生パン粉について

生パン粉はパンを粉砕して粉にした状態のため、パンとほぼ同じ状態です。そのため、普通のポリ袋に入れた状態で長期保管することはできません。

意外に思われるかもしれませんが、普通のポリ袋は少しずつではありますが、空気や水蒸気が袋を通過してしまいます。もし、生パン粉を普通のポリ袋に保管した場合、乾燥して乾燥パン粉になたり、カビが生えたりしてしまいます。

弊社では生パン粉の品質維持のために以下のような対策を取っております。


1.使用するポリ袋は専用のもので空気や水蒸気を通過しにくいものにする
これによりパン粉の乾燥化とカビの発生を防いでおります。

2.ポリ袋にパン粉を入れた後、袋をシールする(閉じる)際に一度真空にし、窒素ガスを封入する
一度真空にすることで酸化を防ぎ、また、雑菌の繁殖も防いでおります。
ただ、真空状態にするとパン粉がつぶれてしまうので、空気の代わりに食品用の窒素ガスを封入し、ふわっとした状態を保っております。(窒素は空気の80%を占めており、窒素ガスを使用したことで健康に害がでることはありません。ご安心ください)

3.脱酸素剤を入れる
袋の中にあらかじめ「脱酸素剤」というものを入れております。どんなに精度の高い袋でも、ごくわずかですが、空気が袋を通過してしまいます。それを「脱酸素剤」が吸収することで、無酸素状態を保っております。

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弊社では上記のような対策をし、冷蔵保存していただくことで、45日間の賞味期限を設けさせていただいております。ですが、他のメーカー様などでは袋の素材の違いや脱酸素剤の有無、真空の有無により賞味期限は異なります。

また、乾燥パン粉はパン粉の水分量が少なく、常温保存が可能な商品です。そのため、通常のポリ袋を使用し、180日間の賞味期限を設けております。
ただ、乾燥パン粉は通常のポリ袋を使用しているため、空気や水蒸気が袋を通過し、パン粉に触れてしまいます。そのため、高温多湿の場所に長期保存した場合は湿気を吸ってしまい、カビが発生する場合があります。
また、冷蔵庫でも長期保存されると湿気を吸ってカビが発生する場合がありますので、冷蔵庫で保管される場合は、できれば冷凍庫で保管されることをお勧めします。
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業務用パン粉の選び方

「パン粉ってどうやって選べばいいのかわからない」「種類がいろいろあるけど、何を基準に選べばいいのか?」といったご意見をいただくことがあります。弊社では業務用パン粉の選び方というページをご用意しておりますので、是非ともご参考にしてください。


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